幕末維新のパリ
日本人の洋行体験には以前から興味があったのと、山田風太郎の明治物に成島柳北が出てきて興味をもち、読んでみました。
幕末維新パリ見聞記――成島柳北『航西日乗』 栗本鋤雲『暁窓追録』 (岩波文庫)
- 作者: 井田進也
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/10/16
- メディア: 文庫
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幕末維新期に西欧に渡航滞在した二人、成島柳北と栗本鋤雲によるパリ見聞記。イギリスやイタリアなど他国の描写も含まれるが、やはりパリが中心。19世紀後半当時のパリの様子が日本人の手によって克明に記されており、逐一興味深い。ことに柳北は一日一日、日記のように記述しており、これをガイドブックとしてパリを散策するのも面白そう。
【メモ】
・ボアドブロン →ブーローニュの森
・グランドホテル →キャプシーヌ大通り(Boulevard des Capucines)のグランドホテル(le Grand Hotel de la Paix);ちなみにモネがキャプシーヌ大通りを描いている。
・ホテルドロールビロン →ラフィット街のバイロン卿ホテル(20, rue Laffitte)
・米蘭 →シャルル・ビュラン
・路尼 →レオン・ド・ロニー
当時の日本人在留者はオデオン座界隈に集中。オデオン座の脇、コルネイユ街にあった同名のホテルに西園寺公望も寄宿。
Media Markerのほうにもっと詳しいことを書いているので、興味があるかたはこちらも参照してくださいませ。
この本を読んだ時に、フランス語の表記(読み方)が違うような気がしていたのですが、上記の本では正確に書かれていました。プリンス昭武(フランス語だとプランス昭武となる)は、さすがに将軍の弟君だけあって結構な豪邸に住んでいたらしいです。当時から日本人は16区だったのね……と思うと感慨深い。
渋沢、杉浦らが住んでいたのは、シャグランではなく「シャルグラン」30番地。
こちらについても詳しくは下記に。
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