かれん『新選組美男五人衆』
かれんさんの新選組漫画は絵が少女マンガチックなので、どうなんだろうと思いがちだけれど、見た目に反して(失礼!)、内容はかなりしっかりとしてます。『歳三梅いちりん』がなかなかよかったので、こちらの『新選組美男五人衆』はかなり期待して読みました。結果、期待を裏切らない出来…!
「美男五人衆」というのは、子母澤寛の『新選組物語』に出てくるエピソード(「隊中美男五人衆」)から。五人衆というからには5人の美少年がいるわけで、そのうち箱館戦争を戦い、明治を生きた山野八十八を主人公としています*1。本巻は新選組となる以前、「壬生浪士組」と名乗っていた頃の新選組を描いています。そして、ちょこちょこ出てくる副長がやっぱりカッコイイ。美男五人衆は今でいうアイドルみたいな感じと思う。
かなりのんびり描かれているそうで、続編がなかなか出てくれないのが不満といえば不満かな~。BL漫画ではないけれど、史実として確かに新選組内で男色が流行っていたというのがあるので、若干その要素が強めな描かれ方がなされています。完全なる捏造ではないし史実だからと思えば、まったく受け付けない方をのぞいて、普通に読めるんじゃないかなー…と思います。
ところで、大島渚監督の『御法度』は男色がテーマですよね(原作は『新選組血風録』)。随分以前から見ようとはおもっているんですけどね……土方さんの配役が不満すぎてなかなかその気にならないのだった。
ちなみに、上記の『歳三梅いちりん』は流泉小史の『新選組剣豪秘話』に書かれている「吉原田圃の大喧嘩」というエピソードを大きくふくらませた、新選組副長以前の土方歳三の物語です。このエピソード自体は創作だと言われているのですが、あまりにも「バラガキのトシ」のイメージにぴったりすぎて、こういうことがあっても別に不思議じゃないというか、史実と言われても信じてしまいそう。
歳三梅いちりん〜新選組吉原異聞〜 上 (クイーンズコミックス)
- 作者: かれん
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: コミック
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この表紙なので買うのが少し恥ずかしいですが、幸いなことに電子化されてます。デジタル最高! ここのところ、漫画はすっかりデジタルばかりになりました。すぐに増えるので場所をとらないのは本当にいいです。引越を間近に控えているので、なおさらそう思うわ…。